インターホンが鳴ったのに「出てみれば誰もいなかった。朝方来客が来ないような時間帯にインターホンが鳴る。なぜか同じ時間帯にチャイムが鳴る」このような経験はないですか?
もしかしたら、空き巣に狙われているかもしれません。
特に録画機能が付いたテレビドアホンではなくて、古いままのチャイムを使っているなら注意が必要です。
空き巣の約半分は、下見の際にチャイムを鳴らして確認します。証拠が残らない古いチャイムの住宅は、狙われる可能性が高くなります。
この記事では「テレビドアホンやワイヤレス防犯カメラの防犯効果」について解説します。
防犯対策を見直して、安心できる生活を送りましょう。
玉置 恭一
鍵・金庫のスペシャリスト/防犯アドバイザー
所有資格等:総合防犯設備士
22歳から鍵職人として始動。
ジャパンロックレスキューサービス株式会社 専務取締役、株式会社ミライアン 代表取締役を経て、ジャパンベストレスキューシステム株式会社入社。
同社退社後、株式会社ミライアン再始動。
現在は凄腕鍵開け職人として、多数のテレビ番組にも出演中。
公式サイト:https://kinkoterasu.com/
カメラ付きインターホン「ドアホン」の防犯効果は?
都市防犯研究センターの調べによると、侵入者(空き巣)の45.7%が、インターホンで留守を確認します。
顔を見られることを嫌う侵入者にとっては、呼び出しボタンを押したと同時に録画が始まる「ドアホン」は強い抑止力になります。
実際に、ドアホンの録画映像が決め手で犯人が特定でき、早期解決に繋がった事例も複数あります。
最近は空き巣だけではなく強盗への対策も必要となります。相手を確認せずにドアを開けることは危険と言えるでしょう。
空き巣に入られやすい住宅の特徴
空き巣は、移動しながらターゲットにする住宅を探しています。
その際に、ターゲットになりやすい住宅には共通点があり「人目に付きにくい、侵入しやすい」などの条件を重要視しています。
裕福でお金を持っている住宅を狙いそうと思いがちですけど、空き巣はリスクを冒して大金を狙うよりも、侵入しやすい防犯が手薄な家を選ぶ傾向にあります。
特に、以下の特徴に当てはまる住宅は注意をしましょう。
人通りが少ない
侵入する際に人目に付かない、人通りが少ない環境の住宅を狙う傾向があります。
奥まった立地にある住宅やマンションは注意が必要です。
人通りが多い
人通りが多い場所も?って思いますよね。
意外ですが、空き巣は犯行後に人ごみに紛れて逃げやすい環境の住宅も狙います。
繁華街に近い住宅やマンションもターゲットになりやすい傾向にあります。
街路灯がない、明かりが少ない住宅
街路灯がない場所や明かりが少ない住宅は、暗闇に紛れて侵入できるため狙われやすくなります。
建物などで光が当たりにくい住宅も注意が必要です。
高い塀や庭木に囲まれた家
高い塀や庭木に囲まれている住宅は、外部からの見通しが悪いです。
一度敷地内に侵入を許してしまうと周囲から見えないので狙われやすい傾向にあります。
手入れされていない庭や建物
庭や建物が荒れている住宅は、防犯意識が低いと判断され狙われやすくなります。
庭木が伸びっぱなしだったり、郵便物が溜まっていたり、敷地内に物が散乱していたりする住人が、防犯に意識を向けているとは考えにくいためです。
勝手口がある住宅
勝手口のある住宅が狙われやすいのは、勝手口は施錠をしていない住宅が意外と多いからです。
ゴミ出しをする時や庭に出る際など、ちょっとの時間だからって無施錠で出ていませんか?そのタイミングを狙っています。
とにかく空き巣が一番優先することは、捕まるリスクが少なく犯行できるかどうかです。
周りの住宅に比べて防犯意識が低くはありませんか?
- 近所はカメラ付きのインターホンなのに、自宅は古いチャイムのまま。
- 近所はセンサーライトなど敷地内の明かりが多いのに、自宅は明かりが少なく暗い。
住んでいる地域の環境は、なかなか変えることは難しいですが、自宅の環境は簡単に変えることができます。
近所の住宅と比べて、少しでも意識の高い防犯対策をすることで、空き巣の選択肢から外れることができるので自宅の環境を見直しましょう。
空き巣は侵入に必要な時間が発見される危険性のある時間より短いと判断できる家をターゲットにする可能性が高いです。
対策としては侵入に必要な時間を伸ばす、発見されるまでの時間を短くする。両方を実行しましょう。
住居侵入(空き巣)での年間被害と発生場所
警視庁のデータ(平成30年)によると、侵入窃盗の発生件数は62,745件になります。
注目したいのは発生場所です。
- 一戸建て住宅が42.5%
- 共同住宅(3階建て以下)11.9%
- 共同住宅(4階建て以上)4.1%
一戸建て住宅が全体の4割以上と高く、被害が最も多い結果になっています。
特に一戸建ての住宅は狙われやすく、注意が必要なのが分かります。
令和元年の 侵入窃盗の発生件数は57,808件と 年々減少傾向にありますが、被害はなくなりません。
防犯カメラの普及率と設置で得られる効果
一般的な戸建て住宅には、どの程度防犯カメラが普及しているのでしょうか?また、防犯カメラを設置することで得られる効果について紹介します。
防犯カメラの普及率
ホームセキュリティ会社のALSOKの意識調査によると「自宅の防犯カメラ普及率は22%(賃貸住宅の標準化が進んだため)」となっています。
2015年と少し前のデータですが、主にマンションは防犯カメラが普及してきて、一戸建て住宅の普及があまり進んでいない結果になっています。
2023年現在でも、一戸建て住宅の普及は進んでいない様に感じませんか?
だからこそ、防犯カメラを設置するだけで、周りの住宅よりも防犯意識が高いことをアピールでき、強い抑止力になります。
防犯カメラの役割と効果
防犯カメラには主に「3つの役割と効果」が期待できます。
①犯罪の抑止力
防犯カメラを設置することで、空き巣の対象から外れやすくなります。
あなたが空き巣なら、同じような住宅に「防犯カメラがある家と、防犯カメラがない家」なら後者のない家を狙いませんか?防犯カメラが付いている住宅にリスクを冒してまで侵入したくないですよね。
空き巣にも同じ心理が働きます。空き巣に「この家は、やめた方がいい」と潜在的な意識が働くことで、対象から外れやすくなる効果が期待できます。
そもそも空き巣の対象にならないことが一番重要です。
②証拠の撮影
それでも、完全に防げるわけではないので被害にあうケースもあります。
万が一空き巣に入られてしまった場合や、犯行を試みた形跡があった場合など、防犯カメラの映像が証拠で犯人逮捕に繋がる確率が上がります。
証拠映像が無ければ、犯人を特定することが難しく逮捕される確率も低くなります。
その他に、ご近所トラブルの解決に繋がったなどの実例もあります。
③安心感
防犯カメラの最も重要な役割は、安心感を得られることだと感じています。
防犯カメラを付けることで、抑止効果が期待でき安心感に繋がります。
また、万が一の時も映像で確認できる為、犯人が「どこからいつ侵入してきたのか」を知ることが出来ることも安心感に繋がります。
なにもわからないって不安ですよね。
被害にあった方から話を伺うと「怖くて夜も眠れない」「また入られるんじゃないかという恐怖を感じてしまう」との事を話されます。
解決策として防犯カメラを設置したのですが、設置しただけでも安心感が得られて、普段の生活に戻れたのでよかったとの連絡を頂きました。
この安心感が防犯カメラの重要な役割だと感じます。
カメラを設置している家に他の対策が施されていないというのは考えにくいと空き巣は考えるでしょう。防犯意識の高さのアピールにもなります。
防犯カメラは設置が簡単な「ワイヤレスカメラ」がおすすめ
防犯カメラは気になるんだけど…「導入費用が高額。工事が大変。手軽にはできない」と思っている人も多いのではないでしょうか?
本格的なシステムを使い、24時間鮮明な画質で監視したいのであれば、数十万から100万円以上の金額が必要になってしまいますが、一般的な住宅にそんなシステム必要ありません。
今の防犯カメラは技術の進歩もあって、すごく安価で簡単に設置が出来るものが多くあります。
数万円程度で十分実用的な防犯カメラが設置できるようになりました。
特に今までは、配線で接続する「有線の防犯カメラ」が主流で必ず工事が必要になり「機器代+工事代」となかなかの費用が必要でした。
しかし現在は、配線が不要の「無線接続の防犯カメラ」が普及していて、工事が不要です。電源(コンセント)があれば、自分でも設置が可能です。
ワイヤレスタイプの防犯カメラは、カメラとモニターがセットになっているマスプロのワイレスカメラや、テレビドアホンと連動させて使えるワイヤレスカメラなど、さまざまな種類が発売されています。
詳しくは【家庭用に人気】防犯カメラおすすめ10選!カメラの種類や選び方からワイヤレスカメラの注意点を解説を参考にして下さい。
本当の安心を求めるなら、ホームセキュリティも
ドアホンや防犯カメラの導入で犯罪への抑止力としての効果は期待できますが、それ以上の本当の安心を求めるなら、ホームセキュリティの導入も選択肢に入れておきましょう。
ホームセキュリティを導入することで、自宅に取り付けた防犯システムが異常を検知することで警備会社に自動で通報。状況に応じて警備員がすぐに出動してくれます。
この万が一の時に、警備員が出動してくれる安心感はホームセキュリティだからこそだと思います。人が来てくれる安心感ってやっぱり違います。
例えば
- 近所で空き巣被害があった。
- 不審者を見かける。
- 子供達だけで留守番することがある。
- 離れて暮らす両親が高齢になった。
- 持病を持っている家族が一人になる時間がある。
- 新居や引っ越しなどで環境が変わった。
など、必要かな?と感じた時が導入を考えるタイミングになります。
でもホームセキュリティって、お金かかりそう…。これが一番心配ですよね。
ホームセキュリティの一般的な費用は、「警備する範囲×防犯機器の数」で決まります。
このふたつの要素を組み合わせて、最適なプランと料金を警備会社が提案してくれます。
ただ、料金やプランは警備会社によっても異なるので、複数の警備会社を比較して検討して無駄な出費を抑えることが大切です。
\ 住まいに合ったホームセキュリティを探すなら /
ホームセキュリティを導入していると帰宅して侵入者とハチ合わせという危険性がほぼなくなります。
まとめ
自宅の防犯対策は大丈夫でしたか?
映像で確認でき、録画機能を搭載しているテレビドアホンは、必要最低限の防犯対策です。まだチャイムを使っているなら、まずはドアホン導入を検討しましょう。
おすすめのドアホンはおすすめドアホン6選。有線と無線どっちを選ぶ?を参考にして下さい。
空き巣対策は空き巣のターゲットから外れることです。そのために記事にあるような多くの対策を複合で行いましょう。
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